ソフィア俳句会合同句集『紀尾井坂』

 上智大学の俳句仲間がアンソロジー『紀尾井坂』第二号を刊行した(発行所ソフィア俳句会、代表は根来久美子さん、令和2年6月25日刊行)。指導役の大輪靖宏先生は上智大学名誉教授で日本伝統俳句協会副会長、「輪」主宰で、著書・句集の数は膨大である。芭蕉や上田秋成などの研究者として知られている。


上智アンソロジー「紀尾井坂」.jpg

 アンソロジーを戴き、さっそく一読し、お礼の気持ちを籠めて各員一句ずつを選ばせて戴いた(大輪先生は2句)。勝手な選ですがお許しください。

燕来て街新しくなりにけり        大輪靖宏
峡歩く疲れ嬉しき鮎の宿
考妣の隣が席ぞ夕端居          五十嵐克
蜻蛉の水面打ちたる音を聴く       内海 秀
追ひ炊きに柚子の揺れ出す冬至風呂    江澤健二
年ごとに手抜きの増えて年用意      鈴木占爐
遠い目をして西安の石榴売り       岩淵弥生
何枚か新札に換え年用意        小池ザザ虫
皇室展のボンボニエール春深し      鈴木 榮
我が声に母目覚めしか墓参り      徳丸喜久子
残暑とて楽しきことの二つ三つ     坂井都代子
君去りて秋澄む昼の広さかな       中村 剛
七草をすらすら言ふ子頬紅し       稲田幸子
穭田に忍者歩きの鷺一羽        中岡まつ子
瞬きが母との会話林檎の香        和髙怜子
山宿の火種絶やさぬ夏炉かな       畔柳海村
罪あるとすればこの色秋の薔薇      後藤 洋
淡雪や金箔散らす治部煮椀        野地陽花
遥かまで麦の穂続く巡礼路        中村明子
芝浜を聞きつゆるりと年用意       新山さむ
緊張の加減ほどよく障子貼る     吉迫まありい
鳥渡る地上にいくつマリア像     くにしちあき
ふる里のひと足早き花野かな       岩瀬深雪
昔母今コンビニのおでん味        國島節子
秋うらら生後二日の大あくび       田中香文
いつぴきの蠅を目で追ふ五時間目     山田知子
はなびらもちほゝやはらかきをんなたち 根来久美子
春浅し応挙の狗のころころと       堀 収子
テーブルを倍の長さに年用意       梅本純子
ジョギングの息弾ませて御慶のぶ    廣野ふえり
料峭やずらりと並ぶ兵馬俑        向瀬美音
落蝉の見上ぐる空の高さかな       児山扇治
海苔船の犇めく港旅はじめ        小谷由果
         
入学年か卒年か、その順に並んだ作品を観させて戴いて、静かな時の流れを楽しみました。有難う御座いました。

"ソフィア俳句会合同句集『紀尾井坂』" へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント