仲寒蟬氏代表の俳句雑誌「牧」創刊

 季刊俳句雑誌「牧」が創刊された(2020年3月1日、春号)。代表は仲寒蟬さん。発行人は大部哲也、発行所は「牧の会」木村晋介、編集人は池田和人のみなさん。
 この俳誌は、昨年、蛇笏賞の授賞式寸前に亡くなられた大牧広(「港」主宰)さんのお弟子さんの集まり「牧の会」(会長は木村氏)が母体となっている。
 創刊号は、発刊の言葉(木村晋介)、創刊号によせて(櫂未知子)、仲寒蟬への創刊インタビュー、メンバーの作品10句(35人が各1頁を使っている)などからなっている。
 

牧創刊.jpg

 
 筆者(=栗林)は大牧先生には多少のご縁を戴いておりました関係で、該誌をゆっくりと見させて戴いた。お祝いの気持ちを籠めて、以下をブログに挙げさせて戴きます。

 寒蟬さんへのインタビュー記事で興味があったのは、彼の「俳句上達の7ケ条」である。その第一が「何にでも好奇心を持つ」であり、最後は「句会に参加する」である。

 ちょっと変わっているのが裏表紙の返しにある記事「俳句と料理と酒」である。一回目は「たらの芽と春筍」を使った粋な料理の紹介である(フードコーディネーター深江久美子)。感心したのは、そのレシピだけでなく、この料理に合う「日本酒」が特定されていることである。九十九里町の「舞桜」と会津坂下町の「空色天明」とある(木村晋介)。


 メンバーの作品から、筆者(=栗林)の印象に残った句を一つづつ掲げさせて戴き、創刊のお祝いに代えさせて戴きます。

   卒業の後丸二日行方不明        小泉瀬衣子
   何もせぬと言ひつつ婆は冬構      朝倉 由美
   荷風の忌虎屋の羊羹ずつしりと     阿部 れい
   湾出ればハワイ航路や冬うらら     池田 和人
   蘖や海見ゆるまでまつすぐに      石井 府子
   玉子かけ用の玉子や寒明くる      猪子 洋二
   はだか木となりこの街に定着す     大江まり江
   冬深し通夜の最後の女性客       大部 哲也
   喪の家の桜青ざめゐたりけり      鎌田 保子
   借金に行く時父は冬帽子        菊池 修市
   古書街をまつり縫ふごと春日傘     木村 晋介
   茹五加木耳骨で感ず食みごこち     熊谷 由江
   半仙戯靴下二枚重ねゐて        玄葉 志穂
   断層に地球の齢冬枯るる        高坂小太郎 
   筆太の書初め並ぶ仮校舎        小林美恵子
   初蝶とつぶやきし人疑へり       庄子 紅子
   富士柿の皺のリアルを買ひにけり    鈴木 靖彦
   たんぽぽや義民再び一石路       関根 道豊
   快い空腹感や茸の香          髙橋 秋湖
   大いなる師系ありけり春の海      對崎 芙美
   清潔なまま少年を雪囲ひ        能城  檀
   満席授業は遠き日のこと山眠る     野舘真佐志
   そこそこの校歌の山も芽吹きけり    長谷川洋児
   凧糸の風の重さを子にわたす      早川 信之
   長居せぬ母の生家や枇杷の花      日立  早
   網棚よりコート半分ずれてをり     深江久美子
   ショーウインドーまだ愛知らぬ革手袋  福田 洽子
   海苔粗朶の陰ゆらめきて潮満ち来    藤  房子
   寒見舞必ず今度晴れた日に       堀渕 螢庵
   生国は碧き島らし冬の蝶        本田 康子
   冬銀河レールに戻る電車かな      前田千恵子
   美しき嘘にあひたし春の月       溝川 史朗
   近未来灯してポインセチアの夜     安田 直子
   冬苺昔使ひし着信音          山田 まり
   着ぶくれてエレベーターの大鏡     若林ふさ子

 勝手な選句、どうぞご寛恕戴きたく。

 創刊お目出とう御座いました。向後のご発展を期待致しております。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 5

かわいい かわいい かわいい かわいい かわいい

この記事へのコメント

仲 寒蟬
2020年03月03日 23:43
ご紹介いただき、また丁寧に読んで下さりありがとうございました。ご期待に添えるよう、一同精進してまいります!